インディゴの夜
- 作者: 加藤実秋
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
私は慌てて右腕を上げると、どんどん小さくなる祐梨亜に向かい、同じポーズを返した。こましゃくれて憎たらしい、大嫌いな水平Vサインポーズ。それでも、これが二回り違いの "友達" に返せる精一杯のエールだった。
サンキュー、祐梨亜。必ずまた会おうね。それまで、自分の世界を生き抜いて。祐梨亜なら、きっとできるよ。
どんなに星の見えない闇夜でも、光を与えてくれる場所がある――女性ライター・高原晶が大手出版社の編集者・塩谷に漏らした何気ない一言から始まったホストクラブ
東京……恐ろしい街……っ!
というわけで、東京のホストクラブを舞台に、三十路の女性ライター兼ホストクラブオーナーが、殺人誘拐拉致監禁をホストの子たちと一緒に解決していく、というような話でした。4編からなる中編集で、なかなか面白かったです。
ホストの子たちは数が多すぎて、キャラというより”ホストクラブ” でひとかたまりのガジェットという感じですが……主人公の晶を筆頭に、同業者にして同じく
しかしホストクラブというガジェットだからといって悪いわけではなく、というよりむしろ効果的なガジェットとして機能していると思います。ホストの子たちは基本的に良い人揃いで、むしろ町の青年団? ってぐらいにお人好し*1。そんな彼らを4編通して見てきて、最後に274頁「indigo まで行けば大丈夫。きっと店のみんなが助けてくれる。何とかしてくれるから」ってあたりは、おうおうジーンとくるやんけ、みたいな感じでなかなか良かったですよ。
さて、店頭で勢いで買ってしまった後に、図書館でこの本と続刊である「チョコレートビースト」 を見つけてしょんぼりしましたが、なかなか良かったですね。次も買ってきましょうか。