彩乃ちゃんのお告げ

彩乃ちゃんのお告げ

彩乃ちゃんのお告げ

読了。発売日が10/25だったり10/30だったり11/3だったりしたけど、結局11/6でした。

「掘るよ」
言葉が勝手に漏れていた。
「全部?」
「ああ、最後の一段まで掘り出すさ」
澤口さんの驚いた顔が心地いい。
この感覚を味わえるなら、なんだってできると思った。

「きっと、いいことあるよ」 ――小学五年生で、マニキュアに興味を持ち、夜のコンビニにはしゃぐ普通の女の子。そして教主さま。彩乃ちゃんは出会う人々それぞれを、ほんのちょっとだけ、幸せな方向へと導いてくれる。


薄っ!
1時間足らずで読み終わってしまいました。外見は一見しても普通のサイズのハードカバーなんですが、1ページの上下の余白が多い気がする。いや、でも前の単行本もこんな感じだったような? とりあえず、1ページの文章を俯瞰で見ると、長辺が短い長方形な感じ。
まあ「小説現代」 に載ってたものを3篇収録してあるだけなので、言ってみれば短編が3話載ってるだけですね。ササッと読んでればこれくらいでしょう。
そしていつものように、ずっとライトノベルを読んでる身としては物足りない、起伏の少ない話の展開なので、「あれ? これで終わり?」 という感想もまたいつものように――。しかしこれが、いざ読み返してみると、「あれ? ちょっと面白いかも」 と思えるようになるから不思議です。ササッと済ます読み方が良くないのか、あるいは3話分を読んでから改めて読み返すと、この作者の描き方に慣れるのか。


第2話は「半月」 でも舞台となった砲台山(虎尾山) でのお話。実際に「虎尾山再生計画」 という運動があるようで、そんなことをぼんやりとでも考えながら読むと感慨もひとしおです。→橋本紡オフィシャルblog:虎尾山再生計画