イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

読了。

望月がその晩、四人目として誰を呼ぶ予定だったのか知らないが、僕はそいつに一生分の感謝を捧げなければならないだろう。
そいつがドタキャンしてくれたおかげで、僕は彼女と出会えたのだから。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……完備で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説――。


あー。なるほどね。
この本を読もうとしたきっかけが、アレな触れ込みだったので、ある程度予測というか、心の準備をしてました。なので、それ程……むにゃむにゃ……ではありませんでした。これもネタバレになるので紹介しませんが、似たような本*1はちょっと前に読みましたし。
内容が「A-side」 「B-side」 と分かれているので、B-side では”女の子側の視点で、どんな風に男を騙して弄んで心の中で笑っていたのか” を書くのかなあ、とか思ってましたが、そういうわけでもなく。いや、”ある意味その通りなん” ですけどね! 62頁「タックって分かります?」 とか、114頁「二度目の相手もたっくん。三度目の相手もたっくん」 とか、読み返してみると空恐ろしい台詞です。


でもやっぱり、裏表紙のあらすじ紹介とかでアレと触れ込みを出すのは、宣伝とか売り上げ的には正しいのでしょうが、楽しく読む分にはもったいないですね。そう宣伝することが最大のネタバレですし。

*1:しかも解説ページで単語解説してる所まで同じ! ……という以前に、どちらも文藝春秋でした。