薔薇色にチェリースカ 2

読了。

「俺はただ、フォークを取っただけだ」
「その割には手間取ったわね」
「えっと、それは……」
当たり前だ。なにしろ、そのフォークで……、
「白ってなに?」
「……う」
「白ってなに?」

前回の騒動が明けて、理事長ギルコにヘビ――チェリースカ――の帯同を許可してもらったヒロ。しかしまた新たな任務が課せられる。「地下数十メートルの旧跡にある教会を破壊してこい」 ……そしてその地下深くで、ヒロは思いも寄らぬ人物と出くわす。


うん、面白かった。
今回はチェリースカ編。1巻ではヒロとマキの複雑な関係を描写してましたが、チェリースカに対しては一向に謎のままでした。その謎がやっと明かされるのですが……正直、そんな設定よりも”とある人物” の鬼畜さ具合がブッ飛びすぎです。カラー口絵を見た時点では「うわあその腕は痛いいたいいたい……」 とか思ってたんですが、こんな所業はまだまだ序の口でしたよ。
というわけで今回一番の名シーンは267頁「――うるせえぞクズ野郎――っっ!!」 で決まりですよ。ここでやっっっっっとスカッとした気分になれます。ただしそれ以前は……。あとは冒頭のコメディパートですかね。これは純粋に楽しかったです。特に白。


微妙な文体に序盤は乗り切れなかったものの、後半になるにつれ面白くなっていきます。下地が済んだところで、さてどうなるのか。次も期待です。




余談。
一人称が変だったり妙なところで区切る地の文だったりと、少々とっつきにくい文章になってますが、後半になって慣れてくるにつれて妙に物語に没頭していきました。「分かりにくいなあ」 とは1巻から思ってたことですが、これはこれで何かしらの狙いや効果があるのかもしれません。3巻からはしっかりスイッチを切り替えれば、最初から楽しめるかも。