EDGE

EDGE (講談社文庫)

EDGE (講談社文庫)

読了。「たかかず」 かと思ってたけど「きわ」 なんですね。そういや元々はX文庫ホワイトハートだったっけ。

「東京ドーム」
「とうきょうどーむ」
駅に入る寸前、立ち並ぶビルが一瞬切れて視界が開けた。けれど。
「――見えないー」
声を揃えて二人が叫ぶ。

私には犯人が見える――。レインボーブリッジや都庁など高層建築物を狙った連続爆破犯、通称「黄昏の爆弾魔(ラグナロク・ボマー)」 の捜査に行き詰った警察は、若き美貌の天才真理捜査官・大滝錬摩にプロファイリングを依頼する。


なかなか。
(元)少女向けレーベルというのは初めて読みましたが、解説でも言ってる通り講談社ノベルスから出てても違和感はないですね。……というか、感想を書く前に解説を読んでしまったので、もうなんか面白かったポイントがほとんど挙げられてて「あれ、これ以上書くことないな」 と思わなくもないです。

第三のポイントは、錬摩と藤崎と犯人の三者が織りなす深い人間ドラマ。タイトルの edge は、普通の人間と犯罪者との境界線ギリギリを象徴する言葉として選ばれたそうだが、それだけに犯人側の心の動きもリアルに描かれる。――292頁・解説

……というわけで、そのまま引用。そうです、犯人側の心理描写がすっごい上手なんですよ。そして犯人の心理を辿っていく内に、犯罪者との境界線にどんどん近付いていく……という。この危うい感じが面白かったですね。あと犯人の思考をたぐり寄せたときに、数学で解法が見えかけた瞬間のような感覚だったり。


とりあえず2巻は買ってあるんですが……そうですか、最新刊はまだX文庫で発売されたばっかりですか。