時載りリンネ! 2.時のゆりかご

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)

読了。

「日記、かあ」
そして唇を結び、考えこむように低く唸る。
「ううむ」
すばやく僕は言った。
「やめたほうがいいと思うよ」
「ま、ま、まだ何も言ってないでしょっ。久高だったら、やな子ね!」

隣の家に住むリンネは、200万字の活字を読むことで1秒だけ時を止められる、”時載り” だ。「物語のような事件はないの?」 と面白いことを探すリンネの許に、中に入れた物の時間を停滞させる書棚をオークションで落札してほしいとの依頼が……。


やはり可もなく不可もなく、といったところ。
ただそれは、エンタテインメントとしての楽しさ・面白さからの観点であって、この小学六年生という思春期前の単純さや、色恋沙汰は薄いけれども、仄かに淡く漂っているような雰囲気は……好きかもしれません。特に256頁「あのね、ちょっとだけ一人きりにしてくれない?」 あたりのシーンは印象的ですね。
それとあまり関係ないのですが、無謬とか謹直とか掣肘とか、使ったことも見たこともないような言葉が出てきたりするのでちょっと戸惑います。文脈で判断できる程度なので問題はないのですが、この本は久高が執筆しているという態で書かれてるので、そういう珍しい言葉が出てくる度に「あー、久高はよく本を読んでいるんだなあ……」 と、何やら負けてる感じがします(笑)


感想を書く前は「あまり面白くないな。次巻は控えようかな……」 とか思ってたんですが、今はちょっとだけ肯定的になれた気がします。まあ、続きを買うにしても惰性レベルであることは否めないのですが。




余談。
今やっと意味がわかりましたが、読んでる時は、113頁「銃の方がまだマシだぜ」 で、「ネクタイの代わりに銃を締めてどうするんだろう? ていうか銃で締めるって?」 とかちんぷんかんぷんな事を思ってましたw