ギロチンマシン中村奈々子 高等教育編

ギロチンマシン中村奈々子―高等教育編 (徳間デュアル文庫)

ギロチンマシン中村奈々子―高等教育編 (徳間デュアル文庫)

読了。

「……ごめんね、別に赤ずきんを仲間はずれにしたんじゃないんだよ?」
そして頭を撫でてくる。
何も言ってないのに。何も悪くないのに。山田くんは謝って、わたしの気持ちを汲んでくれた――そうして甘やかすから、私はなかなか嫌なやつから変われないのに。
馬鹿。
馬鹿者め。

<学園> を飛び出し、船で別の島へと向かっていた3人は、嵐に遭ってはぐれてしまった。気がついたときには、ぼく――山田は、<王国> の人間に助けられた。そう、人間。ロボットではなく、人間。――奇跡的に、<王国> では人間らしい文明的な生活水準を保っていた。


なかなか面白かった。
今回は3つのパートに分かれており、「デウス・エクス・マキナ」 「<特異点> との遭遇」 「獣の森」 がそれぞれ前後編になっています。まず3話続けて前編だけですが、これがどのラストも凄い引きで後編に続くという、かなりの凶悪ぶりです。これはすげえ。
後半になると、そう目を見張るような仕掛けがあるわけじゃないんですが、各前編での盛り上がりがあるせいか、緊張感には事欠きません。というか”ロボットと人間” というテーマに、1巻では「ああ、ありきたりだなぁ」 とか思ってましたが、3巻ではかなりカオスなことになってまして、ここに来てそれが凄く面白い。
そしてエロいです。表紙イラストの幼女が、風呂場でアヒルさん”(なぜか電動) を下腹部に突撃” させたり、縦ロールの髪の毛を”うねうねと伸ばして擬似触手プレイ” と、どうしちゃったんだ日日日、ってぐらいの頑張りようです。あとがきによると、代わりに大切な物を失ってしまったようですが……(笑)


次は <大人社会編>。だんだんと謎が明かされてきて、でもどうなってるのか全然わかんない、という所で終わってます。わりと凝った設定だったんですね。




余談。
赤ずきんが”内心は毒舌じゃ” なかったって事実が驚愕でした。そりゃ時々デレというか素直にもなるわ。