ミステリクロノ 2

ミステリクロノ〈2〉 (電撃文庫)

ミステリクロノ〈2〉 (電撃文庫)

読了。

そんなことをしなくても、と慧は続けた。
「そんなことをしなくても、あなたは妹を守れたはずだ。あなたがそばにいれば、きっとそれだけで妹は守れたはずだ。人間って、そういうものでしょう。
――僕はあなたのやり方を認めない」

クロノグラフ。時間を操る <天使> の道具。散逸してしまったそれを集めるために、慧は真里亜たちと一緒に周辺の動向を探っていた。そしてある日、1ヶ月以上も休んでいる秀才のことを知る。ふとした慧の”出任せ” で、当人の家に見舞いに行くことになった一行だが……。


1巻より格段に面白い。
そういえば、1巻では何が気に入らなかったかと言うと、ミステリとしての推理が「本当にそうか?」 というような想像で断定をしていたからでした*1。ところが今回は作者が掘った起承転結の水路にすいすいと誘導されて、気づけば思う壷にすっぽり入れられてた感じ。主人公の推理はともすれば飛躍しすぎの論理ですが、今回のそれは絶妙でしたね*2
というわけで今回は、<記憶欠落> のクロノグラフです。day、month、year って year とか怖ぇえええ! とかそういう話です(?)。しかし今回特に面白かったのは、242頁「これが「怪物」 か」 と、それに比してのラスト1ページですね。指の震えが伝わってきそうなほどの緊張感*3……これはいい。とてもいいですよ。でも、1巻の話はあらすじくらいしか覚えてませんが、似たようなことがあった気がしますが。


買おうかどうか迷いつつ、一応手を出した2巻ですが、これは……買ってよかった。次も期待です。

*1:覚えてる箇所では、「窃盗をするなら、普通は袋の口をわざわざ閉めたりせず、そのまま逃走するはずだ」 みたいなところです。これはつまり、「いや、私なら閉めるけど」 という意味で納得しなかったんですが。

*2:……でも1巻のときに私が思ったように、納得しない人もいるのかもしれませんが。

*3:といってもそんな描写はなかったので、どうも私の脳内補完のようですが。