人類は衰退しました 2

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

読了。

「……いいかおまえ。人間は、オーラだ」
「オーラ?」
「すべてオーラで決まる。儚げに見えても、内面から漂うオーラが深窓のご令嬢にふさわしいものでなければ、見透かされるものだ」
「……」
「おまえには、そういう神秘性がスッポリ欠けている。ナリが人形のようであったとしても、中身は俗物だ」
「俗物……」
「あきらめろ。それとさっさと元の姿に戻りなさい」

人類がゆるやかに衰退を迎えて数世紀。人口1億にも満たないわたしたち"旧"人類に対し、"新"人類たる妖精さんたちの総数は数百億。彼らは、平均身長10cmの3頭身、高い知能と人間の想像を超えた技術でもってして、日々楽しく生きています。


うん、まあ、面白かった。
ただ1巻よりはちょっと落ちたかな、とは思わずにはいられません。なんというか……そう、妖精さん分が足りないんです! おじいさんと主人公の会話は笑えますし、彼女が陥ってしまう不思議な出来事も面白いことになってるんですが、どうも妖精さんの喋りに笑いがない。
というのも、妖精さんの会話の意味するところが、とある出来事によって解読されてしまったからじゃないかと思うんですが、どうでしょう? 1巻ではあの意味不明な会話(や無茶苦茶な行動) が面白かったと思いますが、そこに実は意味がある(”実はちゃんとした思考をして正しく言葉を発しているのに、短い言葉に変換されてしまう”) となると、もう、妖精さんの生態が途端に普通になってしまった気がします。
とはいえ、笑ってしまったところを挙げ出すと枚挙に暇がないというのも、間違ってないんですが。と言いつつ挙げてみると、34頁「祖父ノリノリです」 や202頁「完全な遊びです」 みたいな冷静なツッコミだったり、チャリってそれ!? だったり、105頁「クリシェ(陳腐な様式)」 だったりと、本当に色々あります。ただ、一番笑ったのは325頁「天界うぜぇ」 ですが。”アリエルが降臨” してきた時点でもう笑ってましたが、この一言で駄目押しに。


というわけで総括すると、面白かったことは面白かったけれども、次はもっと妖精さん分を! ということでひとつ。