食卓にビールを 6

読了。

「よかった! ぼくのペットを診てほしいんだけど」
と言う。てことは、やっぱり動物だよなあ。私は少年の頭より巨大で、薄茶の毛で、可愛い円らな瞳で、耳が長くて尻尾の形がギザギザで、短足でぼってりした動物を観察した。
「ねえ、それって○カチュウ?」
ラミちゃんが首を傾げて美少年に問う。ああああ、なんてことを! 私が一生懸命ずばり描写するのを避けていたというのに!

コマに止まる度に札を引き、それぞれ札に書いてきた命令を実行しなければならないという闇鍋的な恐ろしい「双六大会」。文芸部の伝統とはいえ、今年は何が起きてしまうのか心配……。部活のレクリエーションが宇宙を滅ぼす「魔」 との対決になってしまった「双六篇」、他11本を収録。


うん、面白かった。最終巻とは思えぬほどいつも通り。
やっぱりしばらく間を空けて読む方が良いですね。おそらく。地の文での主人公の語りや言動が面白さの核であるので、このゆるさに慣れてしまうと面白さ半減なんだと思います。
今回で一番印象に残ってるのが「食卓にビールを☆おばあちゃん仮説編」 ですね。パンダがスクラム組んで押し合い圧し合いしてる姿なんて想像するだけで犯罪的です! とろけてしまいます!
それと、1巻の感想でも書いてますが、書き下ろしの掌編で「宇宙人がいる世界観は常識なのかどうか」 に僅かながら決着がついています。まさかこの謎を明かしてくれるとは思ってませんでしたけどね! なんというか、そう、漫画「吼えろペン」 で、ストーリィ創作の秘訣として『最初と最後の話を考えておけばいつやめても大丈夫!』 みたいなことを言ってましたが、もしかしてコレがソレなのかもしれません。


というわけで最終巻。あとがきで「また次の話で会いましょー」 とか、既刊のあとがきと同じ挨拶をしてるような気がしますが、次シリーズのことなんでしょう。他レーベルのシリーズは発刊されすぎてて追いかけ辛いので、そちらに期待。