蟲と眼球とチョコレートパフェ

読了。前の巻はいつ読んだかなー、と思ったら2006.06.27。1年半も前。しかも2巻を先に読んでいたという始末。なんてこったい。

高鳴る胸の鼓動を自覚しながら、竜ゑは久しぶりに再会した幼なじみを見つめた。記憶にある彼は――髪を整えもしないで、センスの悪い服を着て、おじさんっぽい眼鏡をつけている冴えない少年だった。
けれど今の彼は――なんだか、違う。というか、これは、なんというか。
格好いい
「……冗談じゃありませんわ――」

黒木竜ゑ。愚龍の義妹であり、賢木財閥の次期当主。天才である義兄と常に比べられ、財閥の重圧に潰されそうだった彼女は、殺原蜜輝という少女と出会う。スポーツバッグに生首を入れて持ち歩いている彼女は、自らを”不快逆流” と名乗り、生首は自らを殺原美名――”殺菌消毒” と名乗った。


おお、面白かった。
2巻→1巻と読んだときは、あまり面白くないと感じたと思いますが、その辺は1年半の経過が忘れさせてくれたようです。ほとんど内容を忘れていましたが、これを読む前に既刊の粗筋だけ軽く読んだので、むしろ余計な伏線とかを気にしなくてよかった分、より楽しめたかもしれません。
しかし……粗筋だけでも2巻はひどかった(”ヒロイン死亡したけどゾンビ化して復活、ただし生死のスイッチは親友が握ってる”) ですが、今回はなかなか明るい展開でした。↑の引用文の箇所を読んだ時なんかは、むしろ、はいはい死亡フラグ死亡フラグ、とか思ってたんですが(笑) そんな展開に加えて、以前は敵だった者同士が一致団結というシチュエーションがたまりません。もうなんかこういうの大好きです。
186頁「あいつを笑顔にしてやるんだ!」 もうこの辺りからちょっと泣けてきてました。そして216頁「ボク、幸せ」 が物悲しくて酷いことになっていって、でも229頁「嫉妬なさい!」 の一矢報いる台詞が最高で……。


なんという日日日。いや、面白かったです。次も期待*1

*1:ただ、鬱作品の特徴は持ち上げてから落とすタイプが一番効果的ですから、(これが鬱作品かどうかはともかく) 安心はできませんが。