きみを守るためにぼくは夢をみる

きみを守るためにぼくは夢をみる

きみを守るためにぼくは夢をみる

読了。

「あたし……。」
ささやくような小さな声で阿草苺はいった。
「あたし、いま、はじめてほんとうに大江くんを好きになった気がする……。信じるって、そういうこと? だけど、そんなに他人を信じるなんて、こわくないの?」
「こわいよ、すごくこわい。でも約束したんだ。」

『ねむろうよ』 ――初めてのデートの後、奇妙な声に導かれ、深く沈むように眠ってしまった少年。10歳だった少年はそのままに、一夜にして7年の歳月が流れ、少女は17歳になっていた……。


なかなか面白かった。
児童書ということで、ひらがな多用、ページ辺りの文章が少ない、などなど色々ありますが、それはそれ、逆に10歳の主人公に感情移入する為の足がかりになっていて……いた気もします。単に描写が上手いだけかもしれませんが。あるいは足がかりと言えば、最初に甘々な会話を見せられて無性に恥ずかしくなったのが、それかもしれません。


しかし児童書というのはいけませんね。純粋な登場人物たちに対して「はいはいファンタジーファンタジー」 なんて思ったりして。




余談。
とある人物が本物か偽者か分からない場合に、記憶を確かめるんじゃなくて即病院行きってのはけっこう新鮮でした。異常事態が起こっても内々に解決しないって点は、ファンタジーではないですね……。