イマジン秘蹟 2 人でなしの恋

読了。

「キミの初恋の相手が私じゃなくて、ほんとうにほんとうにハッピーだわ。私は今日ほど生きていてよかったと感激した日を寡聞にして知らないわ。実姉を強制排泄させて悦に浸っているトリプルHに恋なんかされたら、恥ずかしくて情けなくて悔しくて一秒たりとも生きてはいられないものね!」
「と、トリプルH?」
視界を塞がれて混乱している隙に、部屋から引き出され。
「変人! 変態! 変質者!」

学園の"魔女" を祓う美少女エクソシスト集団 <イマジン> に入部させられた、尾津智宏。ある日、図書室で車いすの少女に出会ったことから、新たな"物語"に巻き込まれてしまう。


やっぱり面白い。今月読んだ他のスニーカーと比べると特に。格段に。
だけど同時に、1巻ではわりと不評な感想を見かけたし、人気はそれほど出ないんだろうなあ……とかも思ったり。基本的に、不条理に罵倒されっぱなしの主人公が適度にツッコミつつ、時折”キャラぶれ” が起こったりする話です。
というか……姉以外のほとんどがツンデレに見えてきてるのは、一体どうしたことでしょうか。新キャラが登場シーンで主人公を罵倒してる時すら、ツンに見えてしまうぐらいです。しかしその実は……、で、デレに移行するか敵になってしまうのか、のどちらかなのですが。
それはそうと、安楽椅子なポジションにいる姉が、面白おかしい人物であるところの光紗先輩を、的確な言葉で表現するのは (120頁「『自分には人に愛される資格がない』 なんて素っ頓狂な妄想」 あたり)、なんだかモヤモヤした気分になりますね。血が通っているはずの人間/登場キャラ/NPCに対して、全てを見通す神/読者/プレイヤの無責任な一蹴、って感じです。そう感じるということは、(少なくとも読んでいる間は) 物語にのめり込んでいる証拠なのかも。


1巻が光紗先輩ルートだったので、2巻は……と思ってたのですが、これはもしかしてアレですか。”三歩進んで二歩下がる” なルートなのですか。そろそろ過去の話が知りたいと思いつつ、次も期待。