妙なる技の乙女たち

妙なる技の乙女たち

妙なる技の乙女たち

読了。

「子供の親をぶん殴っちゃいけないね、ハンナ」
「ぶん殴ってなんかいないわ。ちょっと触っただけです!」
「そうかね、頭から食っちまいそうな顔に見えたがね」
「そ、そう?」

2050年、東南アジアの海上都市リンガ。軌道エレベータが実用化され、宇宙産業の拠点となったリンガには、額に汗して働くさまざまな女性がいた――。「Lift me to the Moon」 他、全七話を収録。


面白かった。
近未来SFなんですが、宇宙飛行士がどうという話ではありません。むしろ、軌道エレベータを「城」 としたとき、城下町で発展する従来の産業がメインです。デザイナー、タクシードライバー、保育士――働く女性たちのオムニバスストーリーです。
印象に残ってるのは、77頁「では……ご乗船、ありがとうございました」 と、261頁「それでもあなたはやらせてくれるの、、、、、、、、、、、、、、、」 と、297頁「ぜ、絶対になんとかしてやる……」 ですね。特に2つ目、「あなたに捧げる、この腕を」 は最高でした。油断したところでバッサリやられた感覚ですよ。


お気に入りの順番としては、「あなたに捧げる、この腕を」「Lift me to the Moon」「the Lifestyles Of Human-beings At Space」「港のタクシー艇長」>…… ですね。やっぱこの作者好きだなあ、と再確認。