創世の契約1 龍族

読了。

「わたしはね、早く家に帰って、静かに夕食をとって、一日が平穏に過ぎたことを感謝して眠りたいの」
両の拳を振り回す。
「ジャック!」
ほとんど無意識に叫んでいた。
「この人たちにお引き取り願いなさい!」

この地にはかく伝わる。至高は最初に龍族を創り、その翼を鳥族に与えた。その牙は犬族に、その爪は猫族へ。――人族には何も与えられず、と。以来1,500年、人族は序列の最下層に置かれ、迫害されて大陸の片隅に追いやられた。


これは面白い。
短編集のようで、どの話も龍族を話題の片隅に捉えつつ、一話ごとに話の主人公が変わるんですが……まず第一話でやられました。飴の話が出てきた辺りから面白くなってきましたね。聡い子供の話は卑怯です。
で、若気の至りな第二話や、キャリアウーマン大ピンチな第三話と、どちらも十分に面白いんですが……これらが壮大な前フリだったとは、思いも寄りませんでした。第四話からの主人公はずっと同じ人物で、ここで初めて話の本筋が分かるわけですね。つまり短編集のようで、第一話〜三話までは長編の補強ってことですか*1


第一話と第三話が面白く、逆に本筋である第四話〜六話は(比較して) それほど面白いわけじゃないんですが、これから面白くなっていきそうな予感はします。さっさと次も読もう。

*1:1巻のラストがそう感じさせる終わり方なだけで、2巻以降が長編になってるかどうかは分かりませんが。