戦う司書と追想の魔女

戦う司書と追想の魔女 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と追想の魔女 (スーパーダッシュ文庫)

読了。

だが、今のビザクには、そんなことはどうでもいい。今は、あの洟垂れ小僧の成長を、祝ってやりたい気持ちの方がはるかに大きい。
「手向けだ。一槍、馳走してやろう」
「ありがたく、いただきます!」
自らが育てた子供との、一対一。これほど楽しいことがあるか。

二年前、戦器を持ち出し逃亡した武装司書がいた。しかし彼は自らバントーラ図書館に戻り、堂々と言った。「武装司書に正義を取り戻す」 ――それはハミュッツ弾劾の宣言だった。


面白かった!
正直に言うと、2〜4巻はそれほど(!がつくほど) 面白いわけじゃなかったけど、今回は文句なしの「!」。
まず216頁「さよならヴォルケン。どうでもいいけれど、早く死んでね」 がKOEEEEEEEEEEE!!!!!!! もうね、こういう勘違い、すれ違い系のもどかしさは卑怯ですよ。これに続いて、246頁「誰か、解き明かしてくれ。秘められた真実を、見つけ出してくれ」 が切ない。
ここからはほとんどエピローグで、あとはハミュッツが追い詰めるだけなんですが……どちらが勝利条件を得るかという緊迫感と、消えた記憶が戻って行く過程が素晴らしくて、279頁「踊りなさい、自転人形ユックユック。神溺教団に囚われた全ての肉に、愛の記憶を取り戻せ」 で震えました。たまらん。その後の297頁「「ごめんよ、好きだったんだよ、ほんとは好きだったんだよ!」 の慟哭なんてもう最高。これなんてツンデレ


同時にどんどんと明かされていく、武装司書の秘密。ハミュッツの敵も定まった(のかな?) ことで、だんだん楽しくなってきました。さて6巻6巻。