サーベイランスマニュアル

サーベイランスマニュアル (GA文庫)

サーベイランスマニュアル (GA文庫)

読了。

まずい。それ以上は本当にまずい。いろいろな意味でまずい。だけど、背中はもうとっくにベランダの端へくっついていて、これ以上は後ろへ下がりようがない。
「朝緋姉、あ、あの……ちょっと」
「一度くらい、朝緋って呼んでくれてもいいのに」

街で突然虎に襲われた。すんでのところで少女と大男の二人組みに助けられた亮輔は、否応無く連れて行かれた研究施設で、虎が街中で暴れていた理由を知る。「レックス」 ――ヒトならざるもの変化させ、暴走させる脅威のレトロウイルスの存在を。


うーん、まあまあ。
正直、よくある感じの、ラブコメとシリアス半々のぬるい話かと思ってましたが……中盤を過ぎて、とある一点でその先入観をひっくり返してくれたのは良かったポイント。そういえば、途中から少々不穏な空気を感じていましたよ。268頁「病気が自分と関係ないひとなんて、ひとりもいないんだよ。亮輔」 あたりが最高潮。ただ、そこを軽く終わらせてしまったのは残念。個人的にはもっと落差があった方が好みです。


エピローグで急に一年後だったりで、一冊完結の気配でしたが、続くそうです。この巻自体がプロローグなんでしょうか。一応次も読んでみましょうか。




余談。
新人かと思いきや、”女の子向け” 携帯ゲームのシナリオライターだったようです。道理で登場人物の組み合わせがアレだと思った……! あとがきがその辺をはっちゃけてて笑った。


余談2。
イラストが数ページ先をネタバレしてるとか、色々とあるんですが……303ページのイラストだけはテンション下がったと言わざるを得ません。