SH@PPLE ―しゃっぷる― 1
- 作者: 竹岡葉月,よう太
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 文庫
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彼らにとっては『たかが』 の副業でも、それでもその気持ちを踏みにじることは――許さない。
「好きな子に告白したくて迷ってたあの時も、目標体重に手が届かなくて困ってたあの時も、満員電車から痴漢がいなくなったあの時も、ほんとはみんなキミらにありがとうって言いたくてたまらなかったんだ。わかる? よかった、これでまたがんばれるって!」
双子の雪国♂と舞姫♀は普通の中学生。雪国は姉の通う名門女子校の美少女に一目惚れ。だがそれも姉の舞姫の登校時に遠くから見つめるだけ、近付く余地など皆無……のはずだったが、生徒会長である舞姫に「入れ替え」 を提案され――。
面白い! やっぱこの作者好きですよ。
女子校に女装して潜入、という男女入れ替えラブコメです。序盤は手始めに、生着替えやら生々しい会話やら、一通りのことをやるわけで、この辺りも面白いんですが……盛り上がってくるのはその後から。名門校の内部争いに、公立校の意識の低さと、お互いの学校で波乱が起きる/起こすわけですが……。
74頁「課題は『善き妻になるためのサバの味噌煮』。再見」 こういうちょっとシュールなところが好きですよ。166頁「自分の妹分のことぐらいちゃんと守ってやれよ!」 や上の引用文あたりは、ちょっと、いやかなり、うるっと来ました。二つの学校でそれぞれ発生する*1問題に、溜まった思いをぶつけるシーンです。
ラスト、事件の収束が唐突すぎたりもしましたが、良い意味で基本的なテイストは「マイフェアSISTER」 と変わってないように思います。イラストがマイフェア〜の絵で脳内再生されるくらい*2。
面白かった。次も期待。というか次回予告(湯煙の国) が今から楽しみで仕方ありません。
余談。
雪国まいたけですか?