〈本の姫〉は謳う 2
- 作者: 多崎礼,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 新書
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アンガスは微笑んで見せた。
「だから今だけは許して欲しい。この旅が終わるまででいい。君と一緒にいることを――君の傍に居て君を守ることを――どうか許して欲しい」
セラは目を見開いた。その大きな目にじわりと涙がわきあがる。
母の病の報に、一度は捨てた故郷へ、七年ぶりに帰るアンガス。だが町は、記憶を失いやがて死に至る <忘れ病> が蔓延していた。文字の魔手はすでに町全体に及んでいたのだ――。
うーん、まあまあ。
序盤の方は新しいエピソードなのに、終盤になるにつれ1巻の話が入ってくるので、なんだか置いてけぼりをくらった感じです。盛り上がり所が分からなかったというか。第六章はなかなか面白かったのですが。118頁「撃ちなさい。それで貴方の大切な人が守れるのなら――守れると信じているのなら」 あたりとか。
第七章からは急展開すぎて、始終クエスチョンマークを頭に浮かべながら読んでた気がします。特に226頁「飛べ、リベルタス」。1巻を読み返したら、ラストで一回出てきただけの単語でした。覚えてませんって。
セラが一気に変身してたり、”実は自己主張の強い口調”*1だったりで、姫が目立たなかったのは少し残念。次に期待、ですかね。