ヘビイチゴ・サナトリウム

読了。

「ごめんなさい。でも……」
「でも、なんですか? あとで反省した、ですか?」
海生は黙った。
野枝は笑った。
「あなたは笑ったんですよ、あのとき」

中高一貫の女子校で、高校三年の生徒が屋上から墜死した。様々な噂が飛び交う中、彼女と関係があったとされる男性教師も同じく墜死する。中学三年の海生と双葉は、真相を探るために動き出した――。


あー、これはちょっと失敗。読み方を間違えました。
あらすじに「青春ミステリ」 と書いてあったので、楽しい雰囲気の内容を想像してたんですが、実際は淡々と謎を解こうとするだけでした。”遊び” がなかったというか。
しかもそのミステリ部分も、真相が二転三転。「あーそうかー」 となんとなく納得した後に真実をひっくり返されて、「あれ、そうなの?」 と思ったら「えーあー、うーん?」 と更にひっくり返されて、なんとも釈然としませんでした。
ただ久美沙織の解説で、422頁「わたしはショートケーキにのっかっている真っ赤なイチゴなんかじゃない。あんたたちがどう思おうと。そんなふりしてみせもするけれど。本当は違う。しかもビョーキ!」 とあるのを読んで、『「バケモノ渦巻くデンジャラスゾーン、女子校」 という見方からすれば確かになかなか面白かったかな……』 とも思いました。


主人公二人のどっちがどっちなのか、冒頭二行で混乱し出したのは、さすがにラノベに毒されてる気がします。まあいいんですけど。