“文学少女”と神に臨む作家 上

読了。

琴吹さんが、ぴくりとする。
「昨日の……お姉ちゃん?」
ぼくもお母さんもお父さんも、固まった。
舞花が子供らしい無邪気な笑顔で、決定打を放つ。
「うんっ、センパイだよっ。三つ編みで、アンに似てるの!」

文学少女” との出会いから、二年。彼女の導きにより、心葉は様々なことを乗り越えてきた。そして、卒業の日は迫り――。


なんという緊迫感。面白かった。
途中まではいつも通りですが、遠子先輩と琴吹さんが心葉の家に来る、というあたりから強烈な展開に……。もうなんか、段々と”流人” が嫌いになってきましたよ。いろいろと必死になっている割には、余裕を持って行動してるあたり。94頁「ここから先はオレが書き手になって」 とか言いますが、そんな回りくどいことしなくても、と思います。
また、最初から最後まで張り詰めた展開で、凄く話にのめり込んでいたのですが……作者の愚痴にも取れる文章で現実に引き戻されたのがちょっと残念。物語としておかしくない発言ですが、どうにも意識してしまいました。あと関係ないですが、233頁「一緒に登校するなんて、ダイターン」 は完全に気が抜けました。それはカタカナで言っちゃダメ……っ!!


遠子先輩派でしたが、琴吹さんの方にも天秤が傾き始めてきました。そして下巻は未定。やっぱり積んでおくべきだったかもしれません。




余談。
173頁「麻貴さんは体調がすぐれないようで」 前巻のアレからして、”妊娠” フラグにしか見えません。