狼と香辛料 8 対立の町 <上>

読了。

「それだけかや?」
片目を閉じて、嬉しそうに耳を動かしながら、ホロが手の下で小さく言った。
冗談か? と身構えかけて、身構えたらきっとホロは怒るだろうと思った。
それでも、ロレンスは誰もいないはずの部屋の中をほんの少し見回した。
つい、深呼吸をしてしまう。
そして、レノスの町でそうしたように、ホロにゆっくりと顔を近づけた。

ローム川で耳にした、『狼の足の骨』 の噂を追い、ホロとロレンス、そして放浪学生コルを加えた一行は港町ケルーベに向かった。だがケルーベの町は、貿易の中心である三角州を挟んで、北町と南町が対立しており――。


「子供の目を盗んでいちゃいちゃするアホ夫婦」 にランクアップしたようです。
テコ入れとして登場したコルですが、正しく機能しているようです。行く先行く先でコルが可愛がられるのが何とも楽しい。コル萌えですよコル萌え。そして今までの二人旅にはなかった『観客』 というアクセントがついて、二人の会話の応酬もなかなか楽しいものになってます。ただ、ロレンスの”「俺も少しは成長したと褒めてほしいくらいだ」” なんて台詞を見ても、「Side Colors」 を読んだ身としては苦笑いしか出てきませんが。
152頁「罵倒してからかって弄んで、それでもなおわっちのあとをついてくるぬしを見て悦に浸るんじゃ」 ロレンスが舌出して尻尾振ってる姿が脳内に浮かんできましたよ? 194頁「それは……もち、ろん、組合です」 247頁「うちに来ればいい」 罠に嵌めようとしては逆に嵌められ、誑かそうとしては逆に誑かされるロレンス。やばい、萌える。


続刊予定は7月にもない、と。なかなかいい所で終わってるだけに気になります。期待。