キャラクターズ

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読了。

彼女は、おれの顔をまっすぐ見つめるとかすかに微笑み、一言も言葉を発しないまま、スカートのなかに両手を差し入れてスパッツと下着をゆっくりと下ろし始めた。時刻は午後八時三十分、ハロゲンライトに煌々と照らされた夜のガソリンスタンド、その中心で小学生の女の子が髭面の中年男性を前に幼い性器を自ら曝していく。

前代未聞の挑発的話題作、刊行! 近代文学脱構築として――気鋭の批評家とライトノベル作家が二人で挑んだ、「批評」 のキャラクター小説」 化!


なんじゃこりゃ(笑)
桜坂洋の名前を見て買ってみたはいいものの、内容は全く知らない状態でした。どうも、桜坂洋東浩紀がリレー形式で、私小説的に「批評」 のような「キャラクター小説」 のようなものを書いていく、という話らしいです。
で、全17章を交互に書いていくわけですが……第2章でいきなり相手の表現に「意味深じゃないか」 とツッコミを入れたり、投げっぱなしジャーマンのごとく展開を飛躍させて相手に渡したりと、読んでいて妙に可笑しかったです*1
ただこの小説の肝心なところは「批評」。果たしてその部分をどう解釈すればいいのか、言ってることの意味も分かったような分からんような……というのが大半です。出てくる固有名詞(人名/作品名) も8割を知らないので、ちんぷんかんぷんな箇所が目立ちますし。ほとんどキャラクター小説としての部分しか読めてませんよ? とりあえず、111頁「文学は魔法も使えないの。不便ねえ」 で「よくわかる現代魔法」 から出張してたのに(登場から2,3ページ遅れて) 気づいたのは妙に楽しかった。


うーん、まあとりあえず、しばらくいつでも取り出せる場所に置いておいて、暇なときに眺めていこうかと。まずは先にキャラクターズ 感想リンク集 - 読丸電視行を巡らせてもらいますが。

*1:例えば、桜坂パートで「このあいだ、知り合いの漫画編集者に聞いたことがある。〜」 という文章があれば、次の東パートでは「 『知り合いの漫画編集者に聞いた』 話なんて自分の話に決まってるじゃないか!」 と一刀両断したり。