サーベイランスマニュアル 2

サーベイランスマニュアル 2 (GA文庫)

サーベイランスマニュアル 2 (GA文庫)

読了。

亮輔は必死で考えた。
亮輔と幸坂たち。きっとどちらも同じくらい正しく、どちらもお互いに正しくない。
けれど、自分の答えはどうなのか。
いま知っておかなくてはならない、という気がした。サーベイランスというのは、どういうことなのか。何をかせられたものなのか。きちんと考えておかなくてはいけない。でなければ、本当に決断しなくてはならなくなったときにきっと迷って答えが出せなくなる。

レックスのことをひた隠しにしてきた政府だったが、ここ最近分室の周辺でマスコミを見かけるようになっていた。一方、寧と亮輔が公園で黒豹を拾ってきた。分室に登録されていないレックス罹患者だったが、持っていたポシェットにはなぜかレジストが入っていて……。


おお、面白かった。
1巻は正直微妙で、2巻もイラストがすごくロリーな感じで、ちょっと辟易してたくらいですが(実際コスプレが出てきた辺りはげんなりしてたんですが)……226ページ(4章4節) からの盛り上がりといったら! なんかもう主人公の述懐がぴったり嵌まりましたよ。絶望型というか、崖っぷち型というか、思い詰めた思考をするタイプだったんですね。
235頁「仕方ないと諦めて生きるしかない自分が不甲斐なくて、だから、ずっと自分のことが嫌いだった」 や、238頁「ただ、いつも、悲しい――」 なんかは今までさらっと流してただけに、ズドンと来る一言。259頁「喚くガキも黙っているガキも苦手だ。どちらも、どうやって扱えばいいのか分からない」 あ、ここで初めて巴おとん(笑)が可愛く思えてきました。これは確かに……。


あとがきの「わたしが一番書きやすいのは坂上です」 は、なんとなく分かります。私も好きです。次も期待。