スカイ・クロラ The Sky Crawlers
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 文庫
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「OK。話してみるよ。その画期的なエンジンのために、何が必要? 予算? それとも時間?」
「理解」 笹倉は答えた。
当然だ。しかし、それだけは得られないだろう。理解ほど、貴重で入手が困難なものはない。それが得られるのは、きまって、その必要がすっかりなくなったときなのだ。
僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供――戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。
あああああーあ!
そうかそうか、そういうことか……といろいろ納得。クレイドゥで危惧した通りでしたが、ちゃんと最終巻でした。スカイクロラを最後に持ってこないとクレイドゥが面白くなくなるし、仕方ないかなあ……。でもスカイクロラが最初に発刊されたわけで、結局どっち? なんて。
この巻は本当、解決編みたいなもんで、これを最初に読んだ一年前は、正にちんぷんかんぷんでした。どう見ても雰囲気だけしか読めてません。まあ仕方ないことなんですが。……しかし、それにしても、一回目とは見える場所が本当に違いますね!
結局、シリーズを通して、文章そのままの意味で受け取って良かったのは”新聞記者の杣中” だけだった気がします。やっぱりこの辺は森博嗣らしい緻密さだよなあ。面白かった。
私的メモ*1(重要ネタバレ)。
とりあえず、一回目のときは比喩だと思っていた327頁「永遠に、戦おう」 辺りの文章が、そのままの意味だとすると、クリタジンロウ→カンナミユーヒチとなり、クサナギスイト→カンナミ某となると。
クレイドゥのエピローグは、カンナミユーヒチが新人と言うのもおかしいし、半年前の緩衝地帯での云々〜と、カンナミ某の配属された時期が同じなので、これがカンナミユーヒチというよりは、クサナギがカンナミ某に生まれ変わったという方がすっきりします。でクサナギ大尉はプロパガンダ用の別人と。そしてコードネームは、結局明かされませんでしたが、カンナミユーヒチがデッドアイでカンナミ某がブーメラン、と各々に引き継がれている。
そしてこうなると、スカイ・クロラでクサナギが自殺する前にカンナミが撃ったのは、脳を破壊させないため……と、これでかなりしっくり来ます(いろいろと想像に依っていますが)。そしてスカイ・クロラシリーズは、結局はクリタとクサナギ、二人の話だったと。