シフト 2 ―世界はクリアを待っている―

読了。

「……どう、……にも、できないの?」
「……永遠は、変わらないから永遠なんだ。――あいつが『永遠』 を望む限り、――相手を、自分を、許せない限り――」
「……許せない、、、、から、、?」
「……本当に、好きだから――」

高校生の赤松祐樹は、「シフト世界」 では隠者のような生活を送っていた。だが、異世界の出来事が現実世界に”侵蝕” を始めたとき、ラケル=祐樹は一つの決断を下す――。


面白かった。
時系列は線形なものの、120ページ前後×3話でほとんど短編集(中編集?)。今回も良い具合に忘れていたのか、第二話「流転」 はちょっと涙腺がゆるんでしまいましたよ。セピアのネタ自体は覚えていたので、それほど衝撃的でもなかったんですが*1、セラの265頁「あたし、また、ここに、もどってくるから!」 辺りの台詞がもう泣けて泣けて。ラケルとミュージィが惹かれるのも納得ですよ。
でも正直に言うと、第三話「荒野」 はそれほど面白くは……と思ってましたけど、ちょうど今、感想を書くために読み返して、364頁「(――本当に、そうか?)」 から368頁「(――ふざけるな!)」 の流れの意味をようやく理解して、「ああ、やっぱ面白い」 なんて思ってるところです。やっぱりアレですよ。ハードカバーの時もそうでしたけど、分厚さのあまり終盤はボーっとしてて、文字だけ追ってる感が強いです。気をつけないと。次こそは。


そしてハードカバーの頃から勝手に決め付けてたというか、今も「三ヶ月連続刊行!」 なんて言うから、てっきり3巻で完結かと思ってましたが……あれ? まだ続きそう? 期待です。




余談。
そう言えば1巻1話で、早朝の教室で同級生に「赤松?」 と話しかけられて、返事が遅れたってのがありましたね。伏線というか設定というか。

*1:「初読の人はけっこう衝撃的だろうなあ」 という想像。そうはいっても、最初にハードカバーで読んだときはそうでもなかったんですが。