メイド刑事7

読了。

「あたしだって、やくざや、もっとたちの悪い連中と何度もやりあった。拳銃と素手でやり合ったこともある。爆弾で殺されそうになったこともあるよ。怖くないって言ったら嘘さ。だがな、おっさん、あたしは絶対にくじけなかった。なぜか分かるかい?」

その夜、海堂の部屋に呼び出された葵は、ある屋敷で起きた殺人事件の捜査を命じられた。朝を迎えるまでに、警視庁にも内密で犯人を突き止めろという。しかも執事を朝倉を探偵、葵を助手として送り込むと言うのだ。朝倉老人いわく、「名探偵には、助手がつきものですからな」 ――と。


そこそこ。
うーん、今まで6巻分読んできた経験から言うと、このシリーズの当たり外れは1:2くらいなんですが、この巻はいつにも増して、微妙だったと言わざるを得ません。何が駄目だったかって、1話目(第15話) の「マニアック?殺人事件 朝倉老人の華麗な推理」。アリバイやらトリックやらが全然頭に入ってこない。”当たり” があることも知ってるだけに、面白くなかった場合は読み手に非がある、というのは私の考えですが……これは流石に、私の責任だけではない、と思いたいです。
2話目(第16話) は、いつものメイド刑事といった感じ。↑の引用文あたりが良い感じです。3話目(第17話) は、シリアス路線まっしぐら、な話。268頁「それこそ、本当の『ありがとう』 よ」 と、280頁「ですが、あなたの行動は、そして戦うあなたは、――美しい」 は、不覚にも*1面白いと感じてしまいました。


3話目のサブタイが壮大なネタバレだったりと、その辺のノリは相変わらず。次に期待。




余談。
確かに、他のライトノベルと比べると(イラストレータが同じである禁書と比べても)、凶悪さは全然マシな方だと思いますが、そこをどう上手く、面白い方向に持っていけるか、次がちょっと楽しみです。

*1:こういう定番を踏襲した作品だと、面白かったときは「不覚にも」 が接頭してしまいますね。