さくらファミリア!

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)

読了。脅威の四ヶ月連続刊行、三冊目。

「あやつら。あやつら!」 るーしーは枕をばふばふ叩いた。「口では、魔王さま魔王さまと讃えておきながら、るーの言葉などなにひとつ耳に入っておらぬのじゃ! 静まれと言っても、ひかえよと言っても、るーを囲んで『魔王さま目線こっちお願いします』 とかぬかして写メを撮りながら踊ってるだけじゃ」

高校一年生の冬、父がとんでもない額の借金残して失踪した。それほどショックを受けたわけでもなく、踏み倒す気満々で生活を続けていた僕のもとに、神の子を名乗る双子の少女がやってきた。ただし同じく、「三十銀貨財団」 から多大な借金を抱えて――。


まあまあ。
ギャグやコメディは割と良いんだけど、なんか中途半端に真面目になるので、強制クールダウンさせられます。なーんだかなー、という感じ。まず一番大きな原因として、ヒロインが主人公を好きになる理由が不明瞭すぎます。「好き ←……→ 無関心」 を10段階くらいに分けると、登場時で5、しばらくしていきなり10、とかそんな感じ。そら感情移入もできません。前世とか言われても!
男キャラはだいたい好きなんですけど……。主人公はもちろん、親父とか財団の電話相手とか”蝿の王とか神父” とか。ツッコミ役が主人公しかいません。主人公大変だな。――こんな風に、ラブコメ部分は十分面白かっただけに、ところどころで醒めてしまったので、そこが残念でなりません。
107頁「芸者さんと野球拳たのしいです」 とか、129頁「『金』 『返』『せ』」 とか、255頁「斉唱ッ『燃えよドラゴンズ!」 とか。この辺のノリは大好きです。特にふたつ目のサブリミナルのくだりは爆笑。


まあ面白くはあったので、次が出ても買うんですが……次は「気にしたら負け」 の精神で臨もうかと思います。