スカイ・イクリプス Sky Eclipse
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/06/24
- メディア: ハードカバー
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綺麗だ。
濁ったものはここにはない。
なにもかも。
消えてしまったから。
美しい。
空しかない。
整備員のササクラやドライブインのマスタなど、本編とは違う視点で描く、スカイ・クロラシリーズ短編集。
おお、ちょっとスッキリ。
短編は8つ。引っかかったところでは、「ナイン・ライブズ」 は一人称”ティーチャ” ですね。意外と他のパイロットと考えに差がないことに驚きました。考えが違うからこそのエースパイロットだと思ってたんですが。「ワニング・ムーン」 は、ちょっとするとホラーかとも思いますが、全くそんなことなかったですね。92頁「もう一度、飛べるからです」 はあまりにキツい。
そして「ドール・グローリィ」。色々と核心に迫るためのヒントが散りばめられています。これは後でまとめますが、この話の最後の1行、108頁「大人になって、簡単に嘘がつけるようになった彼女だった」 が森博嗣っぽいなあと。最後の1行で明かされるタイプと言えば、短編集でVシリーズのがありました。
これでようやく完結。文庫落ちしたら映画版カバーじゃなくなってるだろうなあ……。
私的メモ。
http://d.hatena.ne.jp/asyminor/20080712
前回の感想では時系列はスカイ→クレィと書きましたが、どうも違ったようです。ドール・グローリィでカンナミ=クサナギが確定しましたので、やはりクレィエピローグでクサナギ→カンナミになり、スカイへと繋がると。
そうなるとクリタどこ行ったとか、スカイクサナギは誰だったんだとか、色々考えることはありますが……確定しなくていいんじゃないか、という暴論に達しました。
例えばクサナギは二重人格で、ナバテアやダウンの時には函南とクサナギが共棲していて、スカイでは分離してたとか、例えばクサナギのクローンが確保してあって、片方を指揮官に、片方をパイロットにしたのかもとか、それこそ色々考えられるわけです。でもどれも決定打がありませんし……だったらこのまま不確定でいいんじゃないかな、と。