青年のための読書クラブ St.Mariana Girl's High School, The Reading Club for the Youth
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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「ぼくは妹の夢をかなえるために、くそったれなまっすぐの道を走ったつもりだったけれど、その道は、ぼく自身によく似た、曲がりくねった恐ろしい道だったのかもしれない。あの子が夢見た、遠い未来に、ぼくたちは果たしてたどり着けたのだろうか……」
聖マリアナ学園――毎年男形たる”王子” が選出される、女子ばかりの学校。その旧校舎の裏の雑木林の奥、崩れかけた赤煉瓦ビルの三階に読書クラブはあった。楚々として日々を暮らす女生徒たちに馴染まず、たくましく強かに生きるどぶ鼠たちの、時代ごとの五編。
いやあ面白い。
時代ごとに変遷していく学校と、生徒たちと、あまり変わらない読書クラブの女生徒の話でした。作者の最近の本のような、衝撃的だったり鮮烈だったりするタイプではありませんが、(5編とも時代が違うにも関わらず)終始「〜〜だ」「……おう」「うむ……」 なんて口調で話す女生徒ばかりで、どこかシュールな面白さがついて回ります。
というか46頁「死ーね! 死ーね! 死ーね! 死ーね!」 がシュールすぎます。男子禁制の女学校、というのをよく表していると思いますが……。98頁「息子ミシェールの死を知った父親が、床に泣き崩れた」 もうなんか、この手の話はいつ読んでもツボなんですが! ツンデレのように、ツン→デレの流れが確定しないせいでしょうか、いつも予想できてません。224頁「いずれ劣らぬ、化猫のような老女たちであった」 あははははw
そういえば、七竈もヴィクトリカも少女に似合わぬ口調だったような気がします(うろ覚え)。楽しいなあ。
私的メモ(付箋)。
p46, p102, p129, p207