電撃コラボレーション MW号の悲劇

MW号の悲劇―電撃コラボレーション (電撃文庫)

MW号の悲劇―電撃コラボレーション (電撃文庫)

読了。


「お呼びですかぁ? あ、すぐデザートの御用意を、」
「いや、いい」 と俺。「ごちそうさん。美味かったよ。デザートとコーヒーはキャンセルだ。俺たちはこれで失礼する」
彼女は「まあ」 という形に口を開け、すぐに笑みを戻して
「そうですね。船、沈んじゃうし」

舞台は6月18日午後9時、異変を生じた南洋上の豪華客船ミレニアムワンダー号。必ず織り込むべき言葉は「タコ」「電撃」「30」。これだけのルールから生まれた気鋭の作家による11編――。


ごった煮。
各話の繋がりがよく分からなくて、他の作家のを読んでから書いた作品だったり、他の作家のプロットだけ読んでから書いた作品だったりと、色々ありそうです。時系列的にはhp30→31→h&p なので、後から書かれた作品の場合は読んでそうですが。
以下は適当にコメント。やっぱり一番手の「残酷劇の夜」(渡瀬草一郎) はストレート。ただ二話目にして「DIVE TO BLUE」(三雲岳斗) はシュールコメディになってますが。ホラーとは言わせません。「万年すだれ禿〜」(有沢まみず) も割とベタ。でも108頁「私、こういうものです。お嬢さん」 が素敵。
成田良悟は、書き下ろしもそうですが、”まーた他人のネタかよ!” と。これは元々そういう企画なのか、もしくは、独断とか事後承諾とか……どっちなんでしょう。「HERO」(藤原祐) は……なんというか、ネタ云々の前に、よくこれを書けたなと*1。読んでて妙に恥ずかしくなったので、顔の筋肉が反応する前に、さっさと次の話に進んでしまいました。


これなら前の電撃コラボの方が面白かったかな。縛りが強すぎた感があります。

*1:あーあ、こいつ、とうとうやりやがった的な意味で。