されど罪人は竜と踊る DD4 Soul Bet's Gamblers

されど罪人は竜と踊る 4 (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 4 (ガガガ文庫)

読了。

ギギナはなんでも食べるな」
「とくに食べられないものはない」
ギギナが考えこむ。
「嫌いなものといえば、歯車と螺子くらいか」
「嫌いとか好きだという以前に、それは工業製品だろうが」

ジヴーニャは勇者ウォルロットのもとへと去った。敗れたガユスは、失意の底でギギナとともにエリダナの街を彷徨う。一方、<古き巨人> の本隊の出現により、指輪を巡る争奪戦はさらに激化。そしてルコルジ・ジの姉、リクルゴ・ゴがガユスたちに襲い掛かる。


面白かったです。
643ページという分厚さも、戦闘描写の骨太さも、そして……鬱度も。久しぶりに真っ向から気分の悪くなる話でした。これぞ浅井ラボの真骨頂。流石にアナピヤレベルではないのですが、少しベクトルが違うので、やっぱり379頁「たらららんらん、たらららん♪」 なんかは「最悪だ!」 と叫びたくなります。小堺一機も真っ青。何が最悪かって、<古き巨人> を”人間に置き換えると、モルモットで実験してるだけ” なので、鼻歌も特におかしくないってことですよ。これはひどい
今回はガユスとギギナの掛け合いが少なくて、残念ですが、その代わり複数の戦闘シーンの切り替えが絶妙。先が気になって仕方ありませんでした*1。DD3のときは、戦場は2つだけでしたので、さすがにダレてましたねえ。戦闘シーンが長すぎてダレるなら増やせばいいという見事な逆転の発想。
そしてもう一つの見所が、ガユスとジヴーニャとウォルロットの三角関係。169頁「互いの感情、主義や誇りなど、曲げるべきだ」 とか、524頁「ブローゾ、これがおまえの言っていた勇気の場、か」 とか。この作者はこういう描写も魅力ですよね。そして流れのままに行き着く所まで行った結果が無印版ですが、こちらはどうなるのか。同じ結果が一番自然ではあると思いますが、果たして……。



表紙はウォルロットだったんですね。白→黄→黒→赤ときて、次は白→藍とか? まあどうでもいいですけど。

*1:眠る前にちょっとだけ読むはずでしたが、気付けば外が明るく……。