風少女
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/03/22
- メディア: 文庫
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読了。
「どうせ昔、不良だったからな」
「そんなこと、言わないわよ」
「一昨日会ってから君は、四回それを言ってる」
「本当に? ぜんぜん知らなかった」
「どうでもいいけどな。見かけよりおれ、気が弱いんだ。君に言われるたびに心臓が止まりそうになる」
父親危篤の報を受け、故郷の前橋駅に降り立った斎木亮は、駅前で中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里から、初恋の人の死を聞かされる。彼女の事故死に疑問を感じた二人は、調査を始めることにする――。
(過ぎた)青春・ミステリ。
ということでちょっとハードボイルドさが足りないのが残念です。しかもなんというか、中学時代の同級生たち(「刺青白書」)+自殺した人物の周囲を調べる主人公の男女ペア(「ぼくと、ぼくらの夏」) と、焼き直しのようでがっかり。追記:解説を読めばこの本が源流となっているとか。なるほど*1。
それはそうと、「ぼくと、ぼくらの夏」 のときは「エピローグとして主人公二人のやり取りがなくてしょんぼり」 みたいなことを言いましたが、二作目のこの本ではちゃんと描かれていて安心です。解決パートに入ると女性の方が全然出てこなくなるのは一緒だったりしますが。
次は「林檎の木の道」。どんどん読んでいきます。
*1:解説を読むと、説得力がありすぎて、読み終わった直後の自分の感想を忘れてしまうから困ります。