翼の帰る処 下
- 作者: 妹尾ゆふ子,ことき
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: 単行本
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「隠居の愉しみなど、若い者に昔のことを話して聞かせるくらいですからね。正統派隠居としては、これを逃すわけには参りません」
「……正統派を名のるには、若過ぎやしませんか。実年齢もですが、見た目も」
「見目より心です。心構えが、隠居なのです。正統派が駄目なら、本格派隠居でも結構です」
「かすれた声で力説なさいませんよう」
太守に命じられ、都に静養にいかされたヤエト。だが都の皇子たちの様子を調べるという密名を帯びてもいた。三の皇子の邸にて、竜種をめぐる陰謀を「過去視」 によって視たヤエトは――。
いいですね。
ヤエトがいじらしくて堪りません。超病弱なのに、いつの間にか謀略の渦中にいて刺客に殺されかけたり、また体調不良で死にかけたり……。なのに考えているのは皇女のことだけ。健気すぎて泣けてきます。そして下巻で妙に活躍したのがジェイサルド。上巻では単なる日向ぼっこでの話し相手だったはずですが、下巻では八面六臂の大活躍。口絵のオッサンがかっこ良すぎて困る。強いジジイは大好きです。
123頁「皇女殿下の副官殿は、いい男なのかと」 心酔! さもありなん……っていうか、どう見ても二十歳そこそこですよね>口絵。157頁「それで、ほだされちゃうんだよなぁ」 そういえば邸にいた伝達官も陥落されてましたね。ヤエト……恐ろしい子! 268頁「嫌いではないと思います」 これを素直に答えれないのってもう、アレですよね*1。
あとがきで担当による一刀両断はちょっと萎えますが、まあ、忘れましょう。まだ続きはいけるようなので、楽しみに待っています。
*1:あと「佞臣」 って単語、調べてみたら意味を真逆に捉えててガックリ。文脈的にどっちでもおかしくないんですが、本当の意味の方がしっくり来ますね。(――ねいしん 0 【▼佞臣】 主君におもねり、心の不正な臣下)