疾走する思春期のパラベラム この世の人々が許しあうまであと千億の夜
疾走する思春期のパラベラム この世の人々が許しあうまであと千億の夜 (ファミ通文庫)
- 作者: 深見真,うなじ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/11/29
- メディア: 文庫
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「ゲームやりながら勉強って不可能だろ」
「やってできないことはない」
「できてないから赤点なんだって」
「ああ」
心的爆撃を切り抜け、つかの間の平穏を取り戻した城戸高校・映画部。だがその頃、世界中で大規模な襲撃事件が起きていた。大量の死者、目撃された少女の幽霊。それは乾燥者による爆撃だった。――戦争はすでに始まっていた。
今までで一番面白かったかも。
五巻目にしてやっとですか。うーん、何だろう。今までもそこそこ面白かったんですが、何故か微妙に感じてたんですよ。
……で考えてみましたが、非日常パートはトラウマ云々という私好みの話題なので、おそらく既巻では、それの対比としての日常パートが弱かったんじゃないかと思います。ところが今回は、第二章「あまりにも愛しい日常」 の、破滅の予感を前にした日常パートが良かったんですね*1。
以下コメント。22頁「そんなかんきょうでにんげんが」 志甫も当初の2chキャラが薄れて、大分可愛くなってきました。箱丸とかは作者の趣味がモロに入ってそうですが。52頁「坂本真綾と菅野よう子のアルバムを」 静かな曲調となれば、『23時の音楽』 がパッと出てきますが……どうでしょうかね。171頁「勇樹……なんで服を着てるんだ?」 やらかした! 遂にやらかした!
「疾走する思春期のパラベラム」 というタイトルの意味もやっと腑に落ちました*2。なんかこの後に出てくる巻も含めて、この五巻が一番面白い、ってことになりそうな予感がしますが……まあ、次も期待です。
*1:「レジンキャストミルク」 もだいたいそうでしたが。まあそっちいは、終盤では『破滅していながら日常パートを演じる』 でしたね……。
*2:字義そのまんまでした。