タザリア王国物語 5 山獄の獅子王

読了。

どれだけ絶望しても、起き上がれる人間がいる。
ほんの一握りだとしても。
その強さは、持って生まれたものでも、育った環境によるものでもなく、そうありたいと日々願うことからくる、たゆまぬ精神的努力によって訓練されるものだ。
次の絶望が訪れるまで長い時があるなら、きっと人生に打ち克つことができる。

狂人サジハッサから逃げ出し、潜伏したジグリット。商人ブザンソンとも別れて密やかに暮らしていたジグリットだったが、とある噂を聞いて一路ナフタバンナ王国を目指す――。


面白かったです。
今回はちょっとページ数が少ないのですが、中身の濃さは変わりません。というより今までが分厚すぎました。私としてはこれくらいがちょうどいいですね。
そしてついにあの人が登場。直前までは、硬めのファンタジーって感じの調子で進んでたんですが……137頁「いつでも、あなたに心は傅いています。けれど躰はあなたの隣にいたい急に桃色に! ニヨニヨが止まりません。他にも133頁「黙ってそれを上着の胸衣嚢に仕舞った」 とか。リネアと同じ目で指輪を見つめてそうです……!
そして、そんな一連のやり取りのインパクトが強すぎて他のシーンを忘れかけてます。とりあえず、フツとナターシ、ジグリットとバック*1の関係は次巻までに忘れてそうなので、ここに書いておきます。一応。


次は三十六計ジグリットの巻。楽しみです。

*1:ジグリットと決闘して、それから怒りつづけてる人。