さよならピアノソナタ4
- 作者: 杉井光,植田亮
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/12/05
- メディア: 文庫
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「さ、同志蛯沢もなにかいじめる番だよ」
「え、ええっ?」 いきなり水を向けられた真冬が、髪をぴくっと跳ねさせる。それでも青い瞳はぼくの顔にぴったり張りつけられた。耐えきれなくなってぼくが背を向けようとしたとき、真冬の声がする。
「……いくじなし。なんでもっとはっきりしないの」
真冬と出会い近づいた春。海への合宿と初めてのライブを経験した夏。様々なイベントを経て真冬への想いに気がついた秋。――そして、冬がやってきた。
あー……終わった。
とても面白かったです。なかなか濃密な時間を過ごさせてもらいました。序盤は相変わらずのボケ会話(ナオの突っ込み) で、いつものように笑いを堪えながら読むんですが、107頁「理性の幻想すべてを、愛は優しく奪う」 からはもう、ドキドキしっぱなしの展開ですよ。全4巻の中でも指折りの息苦しさ。あーあーあーあー! ……傍観者の立場から見れば、優柔不断ここに極まれりって感じなんですが。
以下コメント。155頁「これ以上私をどきどきさせないで」 こんな台詞言われてみたい。204頁「こんな結果になることを読めなかった自分は」 それは流石に無理だと思います。275頁「ほんの一瞬でも歌うのをやめてしまったら、涙で灼けた喉がふさがって声が出なくなる」 あばばばばばばばばb (ry 287頁「でも、お前はまだ間に合うから! 間に合わせるから!」 本日のMVP。何故かこの台詞が一番泣けました。そういや3巻のときからいいポジションでしたが……。なんか巻を重ねるごとに、こいつのイメージがどんどん若くなっていきますね。
例によってNothing but Electric Empty Text:さよならピアノソナタ4・曲目紹介を聴きながら。意外と耳にしたことのある曲が多いですね。