不全世界の創造手(アーキテクト)
- 作者: 小川一水,こいでたく
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/12/19
- メディア: 新書
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「それが本当なら……本当なら」
「ちょ、痛い、こら」
「頼む」
骨が折れそうなほど強く握って、オログが祈るように目を閉じた。
「やってくれ。呼んでくれ。杭を突き出すロバではなく、泉を掘るその子馬を」
「あなたの力と未来に投資させて」――物作りを愛する少年・祐機の夢は、自己複製を行うフォン・ノイマン・マシンの実現。地方都市で才能をもてあます彼の前に現れたのは、天才投資家の娘・ジスレーヌだった。
いいですね。
なんというか、眠ってた男の子の部分をチクチク刺激されたような感覚。あらすじとしては、超すごいロボットを使って不全世界を作り変えていこうとするが、その過程ではさまざまな障害が待ち受けていて……というような話です*1。いわゆる近未来小説ですが、その傍らで幼なじみの大夜やパトロンのジスとで、青春小説も繰り広げられます。こっちもまた楽しいですね。やはり時代は鈍感主人公なのか。
以下コメント。56頁「それは、見守る祐機を引き込むほどの、激しい反応だった」 ここから引き込まれていきました。95頁「Uプロジェクト第一弾。南太平洋の小さな島を、子馬一頭で村おこし」 SUGEEEEEEEE!!!!! 172頁「あんたって子は、ママには成長性は関係ないとかなんとか言っておきながら」 ここは吹いた。ですよねー。
いやー楽しかった。エピローグがまたいい終わり方ですよ。
*1:全然紹介できてないような気がひしひしと。