晴れた空にくじら 2 戦空の魔女

読了。

「それはつまり、機関を再始動できないと思ってるわけだろう」
「……」
「あんまり馬鹿にするなよ。その、おれと、《峰超》 を」
「……ああ」

命からがら日本へとたどり着いた雪平たちは、日本鯨軍の防空隊に組み入れられてしまっていた。ロシアの巡鯨を誘い出すため、日本海上空を漂う――という理由はあるものの、戦争であるとは思えないような空の上、今日の夕飯のことなんかを考えていた雪平だが……。


面白かったです。
しかしまあ全体的に地味なのは相変わらずで、やっぱり人気は出なさそう……。雪平のぼうっとしたマイペースな性格とか、クールだけどちょっと隙のあるクニとか、読んでて楽しいのは間違いないんですが。
あと今回は空戦がなかなか熱いです。前回はトンボ捕りの石なんていう変なイメージしか残ってませんが、今回は敵側にも少し焦点があたります。互いの浮船が交錯するシーンなんかは緊張感があって良かったですよ。
以下コメント。107頁「不随意的に両のまぶたから涙があふれる」 なんか笑えた。あと六里おばさんが怖すぎて吹かざるを得ない。この人絶対893だよ……。141頁「知らない」 照れ具合がたまりません! 190頁「鳥雷より、君のその目で見られたら」 対してこいつは照れというものを知らなさすぎると思うんですが。マイペースなんてレベルじゃねえぞ!


ドキドキな展開は本編にも割とあるんですが、それ以上に続きがちゃんと出るのかどうかもドキドキです。一冊で二度おいしい! 次も期待です。