雪蟷螂

雪蟷螂 (電撃文庫)

雪蟷螂 (電撃文庫)

読了。

「そんなわけないわ。あれは私の……」
同僚のようで、戦友のようで、手のかかる子供のようで。
けれど口をついて出た言葉は、全く違うものだった。
「私の、恋敵よ」

涙も凍る冬の山脈。2つの部族間で長きにわたり続いた氷血戦争、その休戦から10年が経った。しかしこの戦いに真に終止符を打つためには、最後の戦が必要だった――。それは、想い人を殺して喰らう”雪蟷螂” と言われるフェルビエ族と、死してなお永遠生を生きるミルデ族の、部族長同士の婚礼だった。


うーん……物足りない。
香辛料10巻とは逆に、ハードルが高すぎたせいか思ったより楽しめませんでした。前作前々作を読んで、魂の叫び的なものを期待してたんですが……それほど盛り上がるシーンもなく。うむむむ。いや、面白かったんですが! ストーリー自体は既刊と同じく素直な展開なので、やはりもうちょっとパンチが欲しかったところです。
以下コメント。139頁「もう、許されたい。――許したいのです」 いいですね。この言葉の選び方が素敵です。206頁「あなたを、喰べたい」 あーあーあー。胸が締め付けられます。233頁「世にも誠実な、貴方」 ここがピークでしたね。オウガの思いは容易に想像できましたが、それに対するルイの反応にちょっと涙ぐみました。


しかし、いや、こうして感想を書くために噛みしめながら読み返していると、すごく面白いように思えます。読み方を間違ったかな……。うむむむ。