ライトノベルの楽しい書き方 3
- 作者: 本田透,桐野霞
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/02/14
- メディア: 文庫
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「おお。『しくしく菩薩様』 が入っているではないか。八雲、あれを釣ってくれ!」
「わかった。ええと、『めそめそ阿修羅像』 だっけ?」
「『しくしく菩薩様』 だ。そなたは失敬な上に、なんだか引っかかる発言だなそれは」
「いや、別に剣のことを言ったわけじゃないよ?」
「だ、誰もそんなことは言ってないっ!」
夏の三角関係合宿を終えて、心おきなく夏休みを満喫していた。だがそんな折、急に編集者の心夏に呼び出された剣は、スランプ中の先輩作家の「タツコ」 と引き合わされる。そして事態は思わぬ方向へ……。
面白かったです。
妄想系ラブコメ作家である剣が照れながらいちゃいちゃ。そういやそんな話でした。2話の監禁合宿がもうですね、アレですよ。電車の中なのに顔がにやにやして止まりませんよ。そして4話の夏祭りで話が静かに動き出します。それがあまりに真面目な展開で、1巻2巻とアホな話ばっかりやってたラブコメとは思えないくらいです。
77頁「剣のほうも、すでに恥ずかしさのあまり涙をぽろぽろこぼしている」 反応がいじらしすぎて……! 195頁「こゆりが現れた!」 てれってれってれれれー! 217頁「あの子は、ほんとにあの本がほしくて仕方がなかったんだよ〜」 不覚にもちょっぴり感動。○○だったキャラが実は××の典型ですが、それより先にまず”非モテだった石切が美少女作家に一目ぼれされる” があったので、こちらの話は不意打ちでした。
2巻の感想で2巻でちょろっと出てきた石切とタツコが3巻に……と書いてあって、ここまではプロット通りだったんですね。今回は新キャラがいませんでしたので、次巻はきっと3人で、あるいは5人で話を回していくんでしょう。期待です。