“文学少女” 見習いの、初戀。

読了。

「デートの相手って、女子高生だったんだ」
「なんです、その残念そうな顔は。ツンデレにもほどがありますよ」
「きみに見せるデレは、最初からない」

聖条学園に入学した日坂菜乃は、ひとりの上級生と出会う。文芸部部長、井上心葉。遠い人を想い時折切ない目をする彼に、強く惹かれる菜乃。そして、菜乃がある事件に巻き込まれる――。もうひとつの“文学少女” の物語。


泣いた。
うーん、これは、初期の文学少女シリーズに戻った感がありますね。終盤の溜めに溜めた爆発力の印象が強いですが、そういえば最初はこんな感じでしたねえ。単純にみればアフターストーリーですが、元々あったシリーズらしさも失われてませんでした。
188頁「ぼくは……なにも、見逃したくない……」 重みのある台詞だなあ。遠子先輩の選択は正しい方向に導きそうで、やはりこれで良かったと言えますね。286頁「どの包みにも、貝が入っている」 うわあああん! これはひどい。なんというか、シリーズとしてのクライマックスは既に終わっているので、油断して読んでました……。それにしても心葉の推理/想像力は異常な気が。


次は短編集のほう。そちらも期待ですが、こちらのほうも本来の持ち味が生かされていて、俄然楽しみになってきました。期待です。