空ろの箱と零のマリア 2

空ろの箱と零のマリア〈2〉 (電撃文庫)

空ろの箱と零のマリア〈2〉 (電撃文庫)

読了。

「……? だから一輝はどこにもいかず、私の部屋で寝ていただけだ。何の問題もないだろう? ああ、ちょっと手荒に扱ってしまったところはあるが」
母さんはゆっくり僕の手首を見る。そこには、まだ赤くなっている手錠の痕。

繰り返しの日々の果てに、再び一輝の前に現れた音無麻理亜。しかし、ふたりで過ごす穏やかな時間は長くは続かない。送った記憶のないメール、断絶する記憶、「自分ではない自分」 が引き起こす事件――そして死体。


面白かったです。
1巻は割ときれいに終わっていたし、それに面白かったのは時間モノだったことが大きい、と個人的に思っていたので、2巻は少し心配でした。でしたが、杞憂でしたね。神栖麗奈シリーズも面白くはあったんですが、万人受けはしなさそうだったので……。このシリーズは期待がもてそう。
ところで私はときどき、読んでいる最中に「この展開、私ならこうするのになあ」 と思うことがあります。といっても書く側での視点ではなく、主人公になりきった視点で。つまり自分が主人公になったら、というわけで、読んでる最中に本文そっちのけで妄想世界にトリップすることがあるのですが、この本はそれが顕著でした。まあそれだけ夢中になって読んでいるという証ではあるのですが……。もどかしいというか何というか。


さてラストは、この巻で残っていたしこりを持ってきて、キツすぎず薄すぎず、という感じのほど良い”引き” でしたね。これは次も期待ですよ。