少年テングサのしょっぱい呪文

読了。

「あのね、バカだって思われることってそんなに怖がる必要はないよ。だってバカがバカだってことはちっともかっこ悪くないってば。バカはバカなんだから、それ以上でもそれ以下でもないのよ。かっこ悪いのはバカを隠そうとした時だよ」

今日も今日とて、喫茶店不眠症』 でバカ3人組がバカ話に興じていた。テングサ、あっちゃん、サトル。ヘンテコな本名を持つ3人は、同じ高校に通う遊び仲間だった。そこにテングサを訪ねて、暗い顔の女性がやってくる。「人を殺してほしい」 と――。


面白かったです。
最初は気になったもののスルーしてたんですが、評判が良かったようなので購入。正解でした。バカ主人公がバカ友達がバカ会話やりつつも、何かと奮闘する……みたいな話。このバカ会話が確かにバカで、それが3人いるもんだからバカ1→バカ2→バカ3→バカ1→……と話がどんどんバカバカしい方向にずれていくのです。これがまた楽しい。
――とか思っていたら第一章の終わり方が明後日の方向に。大好物です。……とか思ったら第二章で”アッサリ話が収束してて” そっち方向へは行かなくて残念だったり。とか言ってたらラストがまたぶっ飛んだ展開。こっちも好きですよ。


167ページあたりのモノローグが、そこはかとなく大西科学「ジョン平」「浮鯨」 の主人公たちとダブったなー。こういう感じの文章好きです。ホラー作家だそうですが、全く感じませんでしたね。