プラスチック・ラブ

プラスチック・ラブ (創元推理文庫)

プラスチック・ラブ (創元推理文庫)

読了。

真弓はマフラーの下に深くうずめた口で、肩が震えるほど笑っていた。
「なんだよ」
「だって、可笑しいじゃない」
「なにが」
「うちのお袋もね、木村くんのお母さんと、まったく同じ主義なの」


面白かったです。
今回は高校二年生の木村時郎という少年が主人公。作者あとがきでは「性格的にはちょっと老成した感じですが、いわゆるどこにでもいる、なにも特徴のない、ごく普通の青少年です」 とありますが……はいはいダウトダウト。8つの短編があり、そのどの話にも女の子が出てくるんですが、どの話も女の子が被ってないのです。つまり8ヒロイン。どこのボンドガールだよ!
主人公が前から好きだっただの、今好きなんだだのを何人かの女性に言うから、別の主人公の話か、さもなくば並行世界かとも思いましたよ……。ちなみに出てくる女の子を順に列挙すると、「中学時代好きだった女の子」「付き合ってる彼女」「幼馴染」「付き合ってる彼女」「同い年の叔母」「中学時代つるんでた男女グループの内の1人」「付き合ってる彼女」「付き合ってたけど自然消滅したはずの彼女」 となります。いや、まあ季節や時期が違うのは分かるけどさ……これがリア充の恐ろしさか……。


表題作「プラスチック・ラブ」 は似てる2人が出会ったらどうなるんだ、とニヤニヤ。樋口有介分をたまに補充したくなります。次買ってないのは何だったかなあ。