“文学少女”と恋する挿話集3

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

読了。

喉が小さく鳴った。
頭の中に、綺麗な鈴の音が、りん、と響いて。
空っぽだった心に、あたたかなものが、静かに降り積もってゆく。
流くんのほうへ向かう足が、自然と速くなる。
凍りついていた頬がとけて、泣きそうになる。


外伝3。
主人公たちではなく、脇役たちのその後を描く。ちょろっと心葉の影が見え隠れするのがいいですね。アフターストーリーってのはこれくらいの塩梅が丁度いいのだと思います。まあ、心葉のその後は文学少女見習いのほうで描かれているわけですが……そうじゃないんだよ! 本編の直後じゃなくて、いやそっちも知りたいことは知りたいけど、その数年後の姿が知りたいんだよ! ってまあ、それこそ野暮なのは分かってるんですけどね……。読者が続きを求めるのは性なのよ。
以下コメント。57頁「牛園くん、ありがとうって笑っていたわ。これで、柔道に専念できるって。……ありがとう、ありがとうって、何度も」 牛園くん……猛暑キャラ*1だと思ってたのに、意外と切ないところを突いてくるぜ。93頁「秘密よ。大好きなの」 うわあああああああこんちくしょううううううううう。376頁「あたし……流くんの赤ちゃんが……欲しい」 仔鹿ちゃんの二話はなかなか面白かったけど、この最後のための前フリになっちゃったなあ。やっとこの人にも光が射してきたようで嬉しい。


先生の前後がアレだけど、後の方でも幸せになってほしいな……。関係ないけどDTBの1期2期の黒みたいな変化だなと思いました。まる。

*1:猪突猛進で暑苦しい の意(いま作った)