博物戦艦アンヴェイル2 ケーマの白骨宮殿

読了。

「――しかしボーガ、あんまりこいつが調子に乗るようだったら、一度好きにしちまってもかまわんぞ」
「ちょ、冗談でしょ? 冗談よね、かんちょ ! ?」
「いえ、そういうことはないんで、私を信用してください。ただ艦長、どっちかっていうと、この始末の悪い胸と尻を一ヶ月ぐらい樽にぶちこんでおく許可をいただけませんかね」


いやあ面白い!
今回、ケーマの白骨宮殿とありますが、1巻の功績で凱旋帰国を果たしたアンヴェイル号が再び海に出るまでを2章かけて描き、3章ですぱっと宮殿に到着しちゃいます。1巻でじっくり描写した航海シーンをばっさりカット。ほぼ全て陸上のシーンです。海洋冒険ファンタジーでなく冒険ファンタジー。ところがそれでも面白い。何故って、1巻でキャラがばっちり立ってるから!*1いやあ、このあたりは流石ですね。
ケーマの白骨宮殿ももちろんですが、1章と2章も同じレベルで面白い。読んでいるときは完全に続きものなんですが、改めて読み返してみるとほぼ独立してます。そしてどの章もそれぞれがしっかり面白い。これはなかなか、完成された、とまでは言いませんが、非常に洗練された……というか、熟練の技って感じです。


そしてもう、ニヤニヤが止まらない。そういや前回ラスト、そんな風になっていましたね。これは次も楽しみです。

*1:少々忘れているキャラもいましたが、巻頭の登場人物紹介を見れば大体思い出せました。