Strange Strange

Strange Strange (HJ文庫)

Strange Strange (HJ文庫)

読了。

「あれあれ」
和音の足が進む。俺の目は、和音のお目当ての映画のポスターを発見する。
題名はやはり前もって聞いていたように「ロミオとジュリエットVSゾンビVSウーピー・ゴールドバーグ」 だった。


うわっはっはっは。
帯によると浅井ラボ狂乱の暗黒短編撰」 「登場人物が誰も好きになれないことを保証します」 「未成年・心の弱い方にはお勧めできません。用法用量を守ってお使いください」 とネガティブイメージのオンパレード。いや、正にその通りだと思います。誰も好きになれないってことはないと思いますが、大抵アウト。特に1話と2話は陰鬱な気分になること間違いなし。逆に3話と4話はある程度スッキリして、釣り合いが取れ……取れ……れれ? うん。人によると思いますが。取れてると思います。
以下コメント。103頁「タイトルは「失踪者」 で」 「変身」 の方しか知らなかったけど、ググったらやっぱりそうだった。どうせそんなこったろうと思ってました。182頁「ならば今死んでくれよ」「おまえ自身も生きていても死んでいても、どっちでもいいと思っているんだろう?」 正直その通りだったので困った。いや困ってないけど。387頁「だけど、家族にとってはかけがえのない人間だ。それを、それを、この怪物が殺した!」 この辺、され竜に出てきた使徒をマイルドに、というか普通の感性を持たせてて、それよりは共感できる話。でも”人でなし” が全部ひっくり返しちゃったなあ。517頁「歩く巨大樹木の上にいた赤いワンピースの袋頭を見たことで、確信した。もう希望などない。絶望すら許されない」 正直1話はそんなに怖くなかったというか、ブッ飛んでて理解がおいついてなかったけど、ここに来て怖くなった。ただの”異貌のものども” だけでも絶望感たっぷりアクションなのに、クラスアップされたら無理無理。


期待通りに楽しめました。もちろん初見にはお勧めできない。せめてTOY JOY POPからが無難です。