“文学少女”と恋する挿話集4

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

読了。

「ねえ、どうかしら? そろそろ『赤と黒』 のジュリアン・ソレルみたいな情熱的な恋人ができるかしら」
「……その人、人妻たぶらかして、死刑になってませんでしたっけ」
「そういう危険さが、彼の魅力でもあるのよ」

いいですね。
個人的に、遠子先輩>ななせ>美羽です。そのせいかどうか、読んでいる途中は「もういいよ」 と面倒くさい気持ちになるんですが、どれも終わり方がすっきりしていて、読後感が良かったです。紹介される古典の素晴らしさのおかげでしょうか……そのあたりの上手さは相変わらずですね。特に「百年後」 がなかなか。詩で良いと思ったのは久しぶりです。
以下コメント。196頁「遠子先輩の指に、なにげなく指輪をはめたとき」 あっま! そしてなんというたらし。364頁「どんな鈍い男でも、きっと恋に落ちる」 あー、いいな。この台詞を言う、流人の穏やかな気持ちは凄くいい。


なんとまだ続くという。それも完全にafter。これは期待せざるをえない。