天冥の標4 機械じかけの子息たち
- 作者: 小川一水
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/05/20
- メディア: 文庫
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「ではそれを核にすることだ」
「開き直りだって言われたら」
「開き直りだよ。きみはそれによって怒られたり罰を受けることになるんだよ。それでもやるって言ったよね」
何も言えずに、キリアンはしゃがみこんでいた。
そこへひとこと言い添えてくれたサーチストリームを、キリアンはこれから先ずっと信頼することになる。
「きみたちは『混爾 』 を見るんだろう」
面白かっ……いや、エロかったです。
たいへんにエロエロでございました。まずもって今回の焦点が『
いわゆるセクサロイドの発明によって、あらゆるプレイが許される場所。しかし本当にそんな場所があった場合、自律して動くセクサロイドは自らの提供するセックスに関して何を考えているのか……、というような思考実験を見てた気分です。人間とは違って羞恥心のポイントがずれているし、性愛の奉仕を第一義に持ってきてるので価値観もずれている。そして何より……というのは本巻ラストで示される*1ことですが、そのあたりを描きつつ、天冥の標シリーズとしてまた次へ受け渡しを行っています。意外なところで既刊と繋がっていく感覚がいいですね。
次は「羊と猿と百鞠の銀河(仮)」 らしいですが、ちょっと1巻の勢力を覚えてないので検討がつきません。ひつじとさる……? とにかく、次も期待です。
*1:そしてその問いに対する一つの答えを、1巻のメニーメニーシープであの女性政治家が出している……!